(財)日本野鳥の会北海道ブロック協議会事務局長 三浦 二郎

今回まとめられた「別海フィールドの鳥類」には、11目24科3亜科67種がリストアップされた。
これを種類数が多いとか少ないといった単純な評価を下すべきではない。
さて、これらのリストの種類数と対比するならば、「別海フイールドの鳥類」の種類数はいかにも過少であるように見受けられるが、敷地内という限定されたフィールドでは、最もポピュラーな種がリストアップされたと言ってよいと思われる。
それは、干潟・海浜・海洋性の鳥類がほとんど生息し観察される可能性のないフィールドであるからで、前記の根室管内の種類数の内約半数はいわゆる水鳥である。
それ以外の陸鳥類の内、迷鳥と目される種を除いた普通種の殆どが記録されたということになる。
日本に冬渡来するハクチョウ類にコハクチョウとオオハクチョウの2種がある。
2種ともソ連極東部のツンドラ地帯を繁殖地とし、10月上旬に北海道に渡来し、厳冬期には、更に本州に渡って越冬する。
2種のハクチョウは主要な渡りコースを異にし、コハクチョウは北海道北部の浜頓別にあるクッチャロ湖(平成元年ラムサール条約指定湿原になった)に飛来し、北海道を縦断するように南下し、苫小牧のウトナイ湖を経由して本州の日本海側に渡る。
オオハクチョウは北海道東部の湖沼を経てウトナイ湖を中継し、主に東北地方太平洋側に渡るコースをとっている。
かつてタンチョウの天然記念物指定は「釧路の丹頂鶴」とされていた。
絶滅したと思われたタンチョウが、数少ないながら釧路湿原に生き残っていることが確認されたからだが、その後官民こぞっての保護活動によって昭和30年代から急速に増殖し、昭和40年代になってから根室地方でも普通に見られるようになった。
現在では根室地方の湿原がタンチョウにとって重要な生息地になっているようだ。
特に、タンチョウは一つのつがいが広い湿原を繁殖テリトリーとして占有する関係から、繁殖適齢期になってもテリトリーを確保できないペアが多数生ずるようになった。
根室地方ではそういうペアがテリトリーを求めて漂行している状態であり、野付半島のあちこちでそれを見かける。
本別海フィールドの湿原にテリトリーを提供できないものかと考えている。
ノゴマ、ノビタキはこの地方のポピュラー種で草原でブッシュ性の小鳥である。
ルリビタキは亜高山性の鳥と考えられているが、根室市東梅・春国岱では低地の針葉樹林で繁殖する。
海霧による低温が亜高山の気象と類似しているからであろう。
観察された個体は、時季から考えて千島火山帯の山岳部への移動中のものと判断される。
この他小型ツグミ類としてはコルリの生息繁殖の可能性があり、渡り途中にはジョウビタキ・コマドリが立寄ると思われる。
普通種の7種が記録された。
この内メボソムシクイ(コメボソムシクイ)も従来は旅鳥と考えられたが、この地方では繁殖の可能性がある。
尚、マキノセンニュウも生息すると思われる。
確認されていない科のなかで生息が予想されるものについて付記する。
モズ科のモズは確認もれと思われる。
アカモズは道内でも局地的分布を示しているので定着は未知数であるが、冬季にオオモズが飛来する可能性はあろう。
