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| 委嘱研究員・福原幸昭氏 撮影 |

「創価大学付属自然植物園」と「創価学園付属野鳥研究所」が北海道研修道場(別海町尾岱沼)に開設される計画が発表されてから7カ月。 いまや"別海"は、野生の動植物や自然環境の研究者達の注目の的。 「自然環境の学術研究、自然保護への新たな視点を」等々、熱き期待が注がれている。 そこで今回は、こうしたナチュラリストに、"別海"に寄せる心情の一端を語ってもらった。
自然の研究の中心的存在に
斜里町長 午来 昌氏
昨今、日本に野生の楽園がなくなりつつある状況です。これは単に野生の鳥獣が失われるだけでなく、人間の大事な心まで喪失しているように感じてならない。
その意味から別海に学術施設ができることは、大きな励みになると確信します。 それに夢がある。 また、大学が本格的に自然の研究に取り組むケースはあまりないのではないか。 我が町の知床博物館には、3人の学芸員がいますが、こうした道東の自然の研究者や愛好家の中心的存在として、幅広い研究成果を築いていただきたいと念願しています。斜里町宇登呂出身。前知床自然保護協会会長。町議4期を経て、昨年5月、町長に初当選。51歳。
開発と保護の両立の方途を
別海町尾岱沼出張所長 楢山 満夫氏
これまで地域に学術施設がなかっただけに、今回の計画に強い関心を持っています。
場所も野付風蓮道立自然公園に接する恵まれたフィールド。 とりわけ野付半島は、学術的に未開の地ですので、本格的な調査が期待されます。 また、地元の子供達の自然教育に役立っていくにちがいありません。
現在、自然が次々に損なわれ、開発と自然保護のバランスが重要になっています。 人間がどう自然にかかわっていくべきかを明確に示してくれる機関であってほしいと望んでいます。国後島出身。別海町の広報を長年担当。ガイドブック「みどり萌える北の園」を自費出版。46歳。
百年の計で生態系復元を
日本野鳥の会・根室支部事務局長 高田 勝氏
北海道研修道場は、広い敷地の中に森林あり、川あり、湿原あり、と野鳥を観察するのに最高の条件が整っています。
この上に、実のなる木の植樹、巣箱や凍らない池の設置、また、稀少鳥類(タンチョウ等)の餌付けを行えば、一段と充実を図れると思います。
学術施設をただ建設するだけではなく、「百年の計」で、道東の本来の生態系を復元するというような遠大な目標を目指してほしいと切望しています。名古屋市出身。根室市で民宿を経営する傍ら、「ニムオロ原野の片隅から」「野鳥」「雪の日記帳」などを執筆。43歳。
自然保護のモデルケースを
知床自然保護協会理事 繁在家 房雄氏
別海を世界一の地に、との池田名誉会長の熱情が伝わってくるような気がします。 別海町は知床半島と釧路湿原との中間に位置する重要な地だけに今後ますます注目を集めることでしょう。
自然植物園・野鳥研究所が地域の研究者、グループに門戸を開放し、その研究成果が地元の自然保護のために還元していくことが望まれます。
この計画を機に、これまでに存在しなかった自然保護のモデルケースを是非、実現してほしいと念願しています。青森県出身。斜里町役場勤務。自然保護係長時代、知床半島の鳥獣保護区指定に活躍。支部長。41歳。
安心感に満ちた"聖域"に
写真家 福原 幸昭氏
鶴居村に育った私は、15年前から道東一円の自然をカメラに収めてきました。 近年、自然破壊が顕著になっていることを実感します。 1年前までヤマセミが営巣していた土手が丸ごとなくなっていたり、クマゲラが生息していた森林が姿を消したり……。
研修道場は、こうした悲しみに見舞われることなく、観察ができる所です。 人の手を入れるのを最小限度にとどめ、人間と自然の接点の在り方を追求し、誰にでも安心感を与えられる"聖域"を築いてほしいと望んでいます。同氏撮影のタンチョウ等の写真が今年、聖教グラフの表紙を飾った。ブロック長。38歳。
独自の思想で自然保護を
ナショナル・トラスト運動「オホーツクの村」理事 鈴木 泰司氏
最近、自然保護運動が盛んですが、実際には個人の声が自然保護の現場に反映されることが困難です。
私達が進めている「オホーツクの村」は、仲間の協力で成り立っているので、その運動の中で個人の意見を最大限に尊重することができます。
別海の施設は、独自の思想で自然保護を進め、そして、来訪者が自然を身近に感じることができる原生の自然公園にしていただきたいと希望します。小清水町出身。農業経営。日本野鳥の会会員。道野生動物写真研究会会員。写真集「リス」などを発刊。壮年部員。36歳。
地元の一人として協力を
山階鳥類研究所標識調査員 阿部 嗣氏
別海町に自然植物園と野鳥研究所ができることを地元の一人として心から喜んでいます。学術、自然教育、自然保護等々、様々な面で大きな成果が期待できる計画です。
これまでの自然環境の研究と現場は距離があったように思いますが、道東の地域に研究施設を建設するということ自体、画期的なことです。また、その場所だけはなにがあっても残るとの希望があります。私もこのプランの充実と成功のために協力を惜しみません。根室市出身。中標津町教育委員会勤務。7年前から尾岱沼でオオハクチョウのバンディング(標識調査)を手掛ける。日本野鳥の会会員。45歳。
環境保全へ新たな視点を
北海道大学大学院環境科学科2年(修士課程) 宮本 基枝さん
北海道研修道場に自然植物園と野鳥研究所を開設するという発想に感銘を受けました。 別海町は、文明の波によって開発が進んだ象徴的地域。 それだけに、ここに研究施設ができる意義は大きいと思います。
なにか特別な地域だから保護する、残すといったこれまでの発想を脱却して住人が主体的に身近な自然の保護を考えていかなければならない時代を迎えていると実感します。
環境保全を実現するため、一人一人に新たな視点を与えてくれる施設であってほしいと思います。福岡県出身。九州大学卒。女子部副部長。学生局道学生主任。
道内で最も野鳥が多い場所
日本鳥学会会員 寺沢 孝毅氏
根室地方は、道内で最も多い、300種余りの野鳥が確認されています。更に、カムチャッカ半島、千島列島を経由する渡りのコースになっています。こうした地域の一角を保護し、研究していくことは大変に重要な意味を持つといえます。
この冬、北海道研修道場と周辺を調査する機会を得ましたが、ワシ、ハクチョウなどが厳しい自然の環境で生きる様を垣間見ることができました。こうした自然を観察できる場所は今では簡単に見つけることができないと実感いたしました。士別市出身。天売小学校教諭。羽幌町教育委員会発行「天売島の鳥」を執筆。男子地区副リーダー。28歳。
