ノゴマ
委嘱研究員・福原幸昭氏 撮影

創創価学園付属野鳥研究所

今日から別海で−−        
        第1回野鳥研究サマーセミナー


<聖教新聞 1988年7月25日 北海道版> より引用

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 別海町の北海道研修道場内に創価大学付属自然植物園と創価学園付属野鳥研究所を開設することが決まってから1年、両準備委員会では、現地視察などの準備を着実に進めてきた。いよいよきょう25日から29日にかけて、同野鳥研究所の本格的な自然教室となる第1回「野鳥研究サマーセミナー」を北海道研修道場で実施する。今回の別海特集は、セミナーの責任者として来道する鈴木利博創価高校教頭と高間副会長(ともに準備委員)の対談や講座を担当する講師の抱負を紹介。そして、北大の伊藤浩司教授に研修道場視察の報告を行ってもらった。



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高間孝三 副会長
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鈴木利博 創価高校教頭

対談 電話でこんにちは


道東の大自然を体験学習

別海はロマンと夢広がる大地



高間 待望の創価学園の第1回野鳥研究サマーセミナーが25日(きょう)から北海道研修道場で行われますね。北海道のメンバーは皆さんの到着を心待ちにしていました。

鈴木 ありがとうございます。今回は東京・関西両校で希望者を募りまして、男女の中学・高校生合わせて40人が参加します。内容は研修道場内の自然観察、動物、植物、野鳥などのテーマ実習をはじめ、連続講座、釧路湿原や標津・ポー川史跡自然公園の見学なども予定しています。

高間 まさに盛りだくさんの自然教室ですね。今回、随分と応募者が殺到されたと聞きましたが……。

鈴木 ええ、北海道と聞いただけでロマンがあるからです。都会では地平線も水平線も見えません。ですから道東の地の果てにある大空と大地を見たら、一種の"衝撃"を受けると思います(笑い)。

高間 更に研修道場は、野付風蓮道立自然公園に囲まれるという恵まれたフィールド。森林、河川、湿原など、貴重な自然が残されています。ぜひとも大自然の空気を肌で感じて欲しいですね。数日間とはいえ、自然の中で生活すること自体、人格形成、教育の上から大きな意義があると思います。

鈴木 17年程前に尾瀬のすばらしい景観を見て、大変な感動を覚えました。この時、実感した「自分が全身で覚えた感激は、子供達も感じてくれるに違いない」との思いが私の専門である生物教育の原点です。それがキッカケで53年から、東京周辺の中学・高校生とともに標津での「大自然教室」(主催・日本自然観察路研究会)に参加してきました。北海道の大自然に圧倒され、感動し、驚く子供達をこの目で見てきました。彼等は自然の中で新たな人生観を芽生えさせていったようです。

高間 新しい世界を知り得た喜びは何にもまして貴重なものです。ただ自然を残すだけではなく、次代を担う青年の育成のために活用するという視点は、今後、大きな価値を生むと信じます。

鈴木 この構想が発表された折、創立者・池田名誉会長から「思い出をたくさん作ってあげたい」との伝言を受けました。参加者は皆、多感な世代です。大自然の中で生きとし生けるものを肌でどう感じてくれるか本当に楽しみです。

高間 北海道での思い出がそれだけあるのですから、昨年夏、野鳥研究所・自然植物園の開設構想が発表された時、本当にうれしかったでしょうね。

鈴木 「また大好きな北海道に行ける」(笑い)と。なによりも自分が積み重ねてきた経験を今度は本校の教育の一環として生かすことができる喜びをかみしめました。

高間 名誉会長は「環境問題は全人類的な課題」という提言の中で「豊かな自然のリズムを維持し、増進することこそ、永劫なる人類繁栄への最大のカギといっても過言ではありません」と言及しています。こうした提言を実践に移す意味で私達は、北海道が先駆的な役割を果たしていけるという誇りと責任を感じています。

鈴木 今年3月に現地視察を行いましたが、地元の日本野鳥の会の皆さんや多くの方々が惜しみない協力を約束してくれました。北海道の温かい人柄とふところの深さを改めて実感した次第です。

高間 自然の研究に携わる地元の"特別研究員"のメンバーも喜んで協力をしています。道東圏男子部で結成している"野鳥を守る会"は、野鳥のエサ台を設置したり、野鳥の調査に張り切っています。

鈴木 ありがたいことですね。

高間 うれしいことに今春、タンチョウ(特別天然記念物)が研修道場内の湿原に遊びにきました。最近では珍しいカワセミの生息も確認されています。三浦二郎氏(日本野鳥の会理事)によると根室地方の太平洋側は気温が低く、南方系のカワセミは生息していないようです。どうやら研修道場がカワセミの生息の限界線上にあるようですね。

鈴木 これはすごい。多くの野鳥にとっても価値あるフィールドであることを証明しています。

高間 研修道場は、まさに夢とロマンあふれるサンクチュアリ(聖域)です。

鈴木 その意味で現在の敷地内の自然をできるだけ手を加えずに保存していくことが大切ですね。将来的には、タンチョウや現在、絶滅の危機にさらされているシマフクロウ(天然記念物)の餌づけ、保護に取り組める可能性もあります。

高間 ぜひとも実現していきたいですね。

鈴木 創立者とこの構想に期待を寄せてくださっている多数の人達に応えていくためにも、第1回野鳥研究サマーセミナーを実りあるものにしていきたいと決意しています。

高間 無事故、大成功を心から祈っています。




講座担当講師の抱負

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日本野鳥の会理事 三浦二郎氏

 とにかく尾岱沼のすばらしい自然を見ていただきたい。この季節は海も山も生き生きしています。鳥は繁殖期を過ぎ、さえずりは少ないですが、がまん強く観察すればきっと多くの野鳥にあえるでしょう。
 今回のセミナーで自然を大事にし、一緒に栄えていくことの重要性をともどもに学んでいきたいと思います。

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写真家 福原幸昭氏

 私がこれまで撮った動物、野鳥などのスライドを通して、撮影時の状況などを紹介したいと考えています。その中で身近にある自然のすばらしさを知っていくキッカケにしていただけたらと念願しています。また、自然の中に入るためにはルールと心がまえが必要なことも感じ取っていただけるような講座にしていきたい。

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日本鳥学会会員 寺沢孝毅氏

 道東は広大な空間をもつ地域です。その中には野生動物達の厳しく、そして、感動的なドラマが息づいています。
 実際に一緒に研修道場内を歩き、森林、湿原、河川の野鳥を観察していきたい。その中で多数の感動的な出あいが生まれるはずです。こうした感激がいつまでも自然を大切にする原点になると信じています。



セミナー参加者のために

  1. 研修道場内は複数で散策するように心がけたい。

  2. 湿原は学術的に貴重だが、ヤチマナコ(底なしの沼)がある可能性があるのでむやみに歩かないように。

  3. エキノコックス汚染の危険があるので生水は飲まないように。

  4. ハチの巣には近づかないように注意したい。


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