創価学園
初の野鳥研究サマーセミナーを実施

大自然を”教室”に生き生き体験


動植物の宝庫で感動の5日間
観察ノートや巣箱作りにも


<聖教新聞 1988年8月3日> より引用(写真・地図を含む)


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 動植物の豊かな宝庫となっている北海道研修道場と九州研修道場。 ここにはそれぞれ、創価学園の付属野鳥研究所が開設されることになっている。 そこで、東京と関西の創価中学・高校の生徒が、北海道、九州の2班に分かれて参加した創価学園の第1回野鳥研究サマーセミナーが、7月25日から29日にかけて実施された。 学園生は大自然の懐に抱かれて、生涯の思い出となる有意義な4泊5日を過ごした。

別海地図      霧島地図



北海道・別海 写真5

写真5  「あっ、タンチョウの親子だ」
 25日昼、空路で釧路に到着した第1回創価学園野鳥研究サマーセミナーの参加者46人(生徒40人、教職員6人)が最初に訪れたのは、「釧路市丹頂鶴自然公園」。
 一時、絶滅したと思われたこのツルは、大正期に釧路湿原で十数羽が確認されて以来、保護活動が進み、昨年までに415羽に増殖。 昭和27年に特別天然記念物に指定されている。
 生徒の大半はタンチョウを見るのがはじめて。 ちょうど子育ての時期にあたっており、仲むつまじい親子を間近に。 皆、感激もひとしおだ。
 また、展示室では資料を見ながら、熱心にメモをとる生徒たちの姿も。 「タンチョウの頭がなぜ赤いのか、を初めて知ることができました」等、学園生らしい勉強熱心な声がはずむ。
 道東地方特有のオホーツク海高気圧の勢力が例年より強く、10度前後という低温の日が続いた。 吐く息も白い。 しかし、生徒たちはそんな冷夏を吹き飛ばすかのように元気いっぱいだ。
 第2日は天然記念物に指定されている標津湿原や竪穴住居遺跡があるポー川史跡自然公園と道立自然公園の野付半島を見学。
 オホーツク海側には、間近に国後(くなしり)島が浮かぶ。 海面ではアザラシが頭をのぞかせていた。
 野付の観察路の両脇には、ハマナスをはじめ、エゾゼンテイカやノハナショウブが美しい彩りを添え、あちこちで野鳥の姿やさえずりが……。 ベニマシコ、ノゴマ、シマセンニュウ、ノビタキ、オオジュリン、アオサギ等、約19種の野鳥を確認した。
 とりわけ貴重だったのが、オジロワシ(天然記念物)とアカアシシギの観察。 両種とも日本では道東の一部地域でしか目にすることができないからだ。
 第3日には根室半島をバスで移動中にショウドウツバメの巣穴群を発見。 北海道に夏鳥として渡来し、土手に穴を掘って集団で繁殖するこの鳥の巣穴を見るのはみんな初めて。 「道路の近くで生息する野鳥の姿を見られたのが驚きでした」 「都会では絶対に目にすることができない光景」と感動を述べていた。
写真2  別海町尾岱沼(おだいとう)の北海道研修道場には森林、河川、湿原など豊かな自然が残されている。 生徒たちはこうした恵まれた環境を自分の足で歩き、実感しようと、連日、早朝から探鳥会を実施した。
 探鳥のコースは (1)研修道場一周 (2)燎原広場一周 (3)牧口森林公園一周。 距離は短いものの野鳥観察は矢継ぎ早。 次々に鳥に出あう。それだけ野鳥にとって住みよい環境なのであろう。
 午前6時から研修道場内を散策する生徒たち。 望遠鏡や双眼鏡をのぞき、ハンドブックを手に、盛んに野鳥の識別に取り組んでいた。 3日間で確認された野鳥は、アカゲラ、オオジシギ、コムクドリ、ビンズイなど22種類。
 東京校で生物部に所属する猪村美智子さん=高校1年=は「生まれて初めてコゲラを見て感激しました。 それも群れで。かわいらしいシマリスにもあえました」と笑顔をほころばす。
写真3  また、4日目は、研修道場内の本格的な標本調査を実施。 5つのチームを編成し (1)野鳥 (2)植物 (3)動物 (4)菌類の4つについて、目に触れたものを記録した。
 その結果、標本として持ち帰った植物は55種類。菌類も34種類に及んだ。 動物・昆虫もエゾシカやキタキツネの足跡を含めて16種類を確認。 また、オバボタルの生息も認められた。
 この日、全員がノコギリとカナヅチを手に巣箱の作製に取りかかった。 悪戦苦闘のすえに完成した巣箱を真心を込めて1個1個、木に設置。 来春には、多くの野鳥がこの巣箱で繁殖することだろう。
 充実した5日間を振り返って鈴木利博団長(創価高校教頭)は語る。 「生徒たちは、今回、自然の大切さを心から実感したと思います。 この経験は成長への大きな糧になるでしょう」
 このサマーセミナーの期間中、生徒たちは「道東の自然」「道東の動物」「キノコの話」「道東の野鳥」などのテーマで受講。 道東の大自然に見せられた生徒たちは「きっとまた、やってきます」と口々に語り、忘れ得ぬ思い出を刻んだ。




九州・霧島 写真5

写真1  自然の景観に心洗われる霧島−−。 その清涼な山ふところに抱かれた九州研修道場でも、創価学園の初の野鳥研究サマーセミナーが開かれた。 参加者は、大自然のなかで日ごろの鋭気を養うとともに、有意義な研さんの時を過ごした。
 参加した学園生は39人。セミナーの期間中、中野純嗣高千穂河原ビジターセンター所長から「霧島の地形と動・植物」の講座を受講。 また、宮崎県立高原畜産高校の石井久夫教諭や自然観察指導員の今別府純雄さん、谷山義則さん、副島四郎さんから、霧島の野鳥、植物、天体の観測などの講座を受けた。
写真2  さらには、巣箱作り、巣箱かけにも汗を流し、楽しい思い出を刻んだ。
 なかでも野鳥観察では、御池野鳥の森へ(26日)。 この日はあいにくの天候。 雨のなかを、山道、時には獣道を踏みしめ、雨ガッパ姿での観察となった。
 「耳をすまして……今の鳴き声がトラツグミですよ」と、森の中から低い声が。 また「あの木に見えるのがヤイロチョウの巣の跡です」と、同行の石井教諭の説明に、それぞれが双眼鏡を手に真剣そのもの。
 「雨に降られましたが、ヤイロチョウがいると思うと、もううれしくて……」と、珍鳥の生存に生徒たちから感動の声も聞かれた。
 一方、えびの高原池めぐりコース(27日)では「木の皮がないでしょう」と今別府さん。 生徒が注目すると「シカがツノでこすった跡ですよ」と。 この説明に、瞳を輝かせて聴き入る。
 「生徒さんの真面目な姿に、ついつい私も真剣になりましてね」と、学園生の旺盛な向学心に、いかにもうれしそうな今別府さん。
写真3  こうした研さんの姿は、そこかしこに。 東京校の松沢友紀さん(15)と大場信昭さん(15)=ともに高校1年=は、2人して毎朝5時に起床。 早朝からカメラ、双眼鏡、観察ノートを手に、野鳥観察に出掛ける。 2人とも「自然の雄大さを体験し、将来の自身の宝にしていきたい」と語る。 その松沢さんは、中学時代は生物部の部長として活躍。 昨年秋には、同部を代表して「小平市緑の実態調査12年の歩み」で「日本学生科学賞」の東京都優秀賞を受賞している。 今回のセミナーでは、すでに13種類の植物をスケッチ。 また、野鳥のさえずりを観察ノートに記入するなど、その意気込みがうかがわれた。
 参加メンバーは、みんな感動の面持ち。 「自然の厳しさ、美しさを学びました。 とともに一つのことに対し、より深く探求することの大切さをも知りました」 「時のたつのを忘れるくらい魅力ある毎日でした。 これをよき思い出として、力いっぱい勉学に励みます」などと、喜びを語っていた。


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