創大付属自然植物園の開設へ
霧島フィールドの植生調査進む
これまでに約600種の植物を観察
=鹿児島=
<聖教新聞 1990年5月18日> より引用 (写真を含む)


豊かな自然環境の保護、自然教育の“生きた教科書”としての活用に高まる期待−−。
創価大学付属自然植物園の開設が予定されている鹿児島・霧島フィールドで第2回植生調査が行われた(15〜17日)。
同植物園準備委員会(委員長=土井健司教授)では、前回(昨年10月)と今回の調査結果に基づき、気象や地質、水流と植生の関係、更に植物目録や自生植物の統計をまとめ、学術資料を作成していくことになる。
自然保護と貴重な教育・研究の場
さわやかな新緑とハルゼミの鳴き声の中を丹念に植生状況を調べながら進む調査団の一行−−。
今回の調査は、昨年秋に続き、植物学者の初島住彦鹿児島大学名誉教授、植物研究家の杉本正流氏ら専門家を招き、創大から準備委員会の土井教授、花見常幸講師、島田勉氏、また地元の植物研究グループのメンバーが参加。
一行は、貴重な草木を見落とさないようにと、山の斜面、湿地帯、沢のほとりに生えている一木一草を注意深く観察し、和名の確認、標本採取に汗を流した。
今回までの調査で確認された植物の個体数は約600種類。
「霧島山系の植物がフィールド内に凝縮している。非常に興味深いですね」(杉本氏)。
珍しいオオバウマノスズクサの花や、他地域ではあまり見られないマンネンスギ、ヤマドリゼンマイ、カヤラン、ナカミシシラン、ギンランなど、分布上、注目すべき植物も確認された。
また、フィールド境界の石坂川の上流では樹齢6、70年前後の満開のミヤマザクラを発見。
同じように分布が少ないだけに貴重な成果があった。
また、カシ、シイなどの暖帯林とアカガシ、ブナなどの温帯林が標高800m前後に混生地帯を作り、その上下に分布していることも確認された。
初島名誉教授は「火山地帯の爆発後の森林の変遷、また森林の組成は、学術的にも大変に注目すべきものがあります。大学として、自然を保護し、学術研究を行う植物園の構想を持つことは、素晴らしいことです」と語っていた。
一方、同フィールドでは創価学園付属野鳥研究所の設置準備も進められている。
昨年、一昨年と過去2回のサマーセミナー参加の学園生が作製した巣箱が各所に設置されており、そこでシジュウカラが子育てをしている光景も見られた。
日本野鳥の会会員の石井久夫氏は「四季を通じて45種類は確認しています」と強い関心を寄せている。
毎月、定期的な野鳥観察も行われており、今月の調査は、23、24日の予定。
