このほど、北海道・別海と鹿児島・霧島の両フィールドに開設が予定されている創価大学付属自然植物園、創価学園付属野鳥研究所の準備委員会(委員長=土井健司創大教授、松田茂行関西創価学園長)による調査報告書が完成。 関係者の間で「学術、教育的に非常に水準が高い」「自然研究の生きた“教科書”」と高い評価が寄せられている。 ここでは、同書の内容とともに、執筆者のコメントおよび創大・学園が進める自然教育に対する専門家の期待の声を紹介する。
| 別海フィールドに生息する動物たち | |
|---|---|
![]() タンチョウ |
![]() オジロワシ |
![]() キタキツネ |
![]() シマリス |
| 霧島フィールドに生息する動物たち | |
|---|---|
![]() キュウシュウシカ |
![]() カケス |
![]() アカショウビン | |
今回、完成した調査報告書は、植物、鳥類、菌類を中心にまとめられており、今後の調査・研究への手掛かりになるものとして、内容的にもかなりのレベルに達しています。
また、この地域の生物研究へ大きく貢献することは間違いありません。
鹿児島県は、屋久島という魅力ある地域を抱えているため、どうしてもそちらに目が向き、霧島の調査・報告がなされてきていなかった、というのが実情です。
霧島フィールドで、私が確認した野鳥は70種類でしたが、その後、更に2種類ほど確認しており、当然いなければならない種類を考え合わせると、最終的には120種類を超えるのではないか、と思います。
執筆者から
創立者の自然への認識の深さに感銘
北海道大学教授 伊藤浩司氏
私も3年前、別海フィールドを3度にわたり、視察・調査に歩きましたが、開発のために北海道の湿原が次第に追いつめられているなかにあって、同フィールドの湿原は、将来にわたって残されるべき、貴重な財産であると実感しました。
あれだけの“集団”としてのまとまりのある自然が守られているということは、北方植物の研究の上で大変に重要なことです。
13年前、創立者の池田名誉会長が別海を訪問された際、別海フィールドの自然を保護していくよう指示されたと聞きました。
名誉会長のこうした先見性と、自然環境に対する認識の深さに感銘を受けています。
今後もできる限り、植生調査に参加し、調査報告書の一層の充実のために尽力していきたいと決意しています。
800種の植物―いつまでもこの環境を
鹿児島大学名誉教授 初島住彦氏
今回、創価大学・学園の依頼を受けて調査に参加できたのは、私にとってもいい機会でしたし、興味をもって取りかかったわけです。
このフィールドは、標高614mから1,136mにわたる地域で、暖帯から温帯の植物が垂直分布しているところです。
植物の種類も豊富で、野生、栽培合わせて800種類が見つかりました。
恐らく霧島全体の同じ標高範囲の植物を網羅していると思われます。
別海と霧島という、北と南の植物を比較できることは、大変興味のあることで、霧島だけをとっても、この報告書は貴重なものだと思っています。
霧島の報告書には、生育地を上中下の3段階にわけ、また生育の量を4段階で表示しています。
これも参考になると思います。
この自然をいつまでも守ってほしいと願っています。
“霧島”は見事な野鳥の楽園
日本野鳥の会会員 石井久夫氏
それだけ自然が残されている証拠ですし、鳥達にとっては居心地のいい環境であるわけです。
霧島は渡り鳥も多く、そうした野鳥の楽園として、このフィールドが残されていることは大きな喜びでもあります。
九州では数が少なく、貴重な鳥であるキバシリが見つかったことは、大きな収穫でしたし、高いところにしか巣を作らないクマタカの古い巣も見つかって、驚きとともに、霧島ではいかに大きな木が失われているかを知らされた思いです。
