国立アマゾン研究所・アマゾナス連邦大学・州環境保護院・BSGIが主催

ブラジル・アマゾン国際環境会議

"緑の大海原おおうなばら"を守れ! 人類の英知で


<聖教新聞 1999年10月27日> より引用 (写真を含む)


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 ブラジルSGI等が主催した「アマゾン国際環境会議」が、ブラジルのマナウス市で21日から23日の3日間にわたり開催された。会議は「第3の千年のアマゾン――望まれる共生」をテーマに、世界の宝・アマゾンと人類の共生を求めて、政府関係者、研究者、市民運動家などが基調報告、講演、シンポジウムを行った。これにはブラジルのカルドーゾ大統領、マシエル副大統領、会議の提唱者である池田SGI会長が祝福のメッセージを寄せた。北南米7カ国700人が参加し、NGO(非政府組織)中心のアマゾンに関する国際会議としては世界最大規模のものとなった。


環境大臣、州知事、アマゾナス連邦大学総長、上院議員、世界銀行相談役が講演
北南米7カ国から700人が参加

アマゾン国際環境会議
3日にわたり開催された「アマゾン国際環境会議」。会議の模様は、ブラジル各紙・各テレビ局が連日報道し、22日には衛星放送で全ブラジルに実況中継された。
アマゾン川
世界の熱帯雨林の 1/3 を占めるアマゾン。これまでもブラジルSGIでは、熱帯雨林再生のプロジェクトなどで、アマゾンの保全に尽力してきた。
 開会式で、"アマゾンの守り手"として知られる詩人のチアゴ・デ・メロ氏が池田SGI会長のメッセージを読み上げた。
 朗々たる声は、アマゾンの緑の風のごとく、会場に響いた。
 ――「アマゾンがむとき、地球は病み、アマゾンが泣くとき、地球は泣くのです。アマゾンが羽ばたくとき、人類は羽ばたくのです」と。
 「緑の大海原・アマゾンを守らねばならぬ!」との思いを、出席者が改めて強く決意した瞬間だった。
 ヨーロッパ大陸がすっぽり入る広さのアマゾン(650万km2)。その豊富な水、鉱物、森林資源はもちろん、地球生態系に果たす役割を考えれば、アマゾンの恵みなしで人類は生きられないといっても過言ではない。
 ゆえに、「アマゾン国際環境会議」では、環境を破壊してきた「人間自身の変革」こそ最も重要であるとの認識に立ち、「倫理と行動の変革」を世界に訴え、「人道的で破壊なき開発」の方途を提供していくことが協議された。

 会議では、3日間にわたり各界の代表が講演。
 サルネイ環境大臣は、連邦政府のアマゾン政策に言及。環境保全は、社会全体の協力があってこそ可能になるとし、幅広い意見が発表される「環境会議」の成果に期待したいと述べた。
 アマゾナス連邦大学のバルボーザ総長は、アマゾンの問題にアプローチする際は、アマゾンに住む人々のことを忘れてはならないと強調。
 アマゾニノ・メンデス州知事は、州政府による「持続可能な開発」を実施していく上で、これからは国家の枠を超えて、人類という横のつながりを強めなければならないと訴えた。
 世界銀行の相談役でアマゾン研究の権威であるトーマス・ラブジョイ博士は、「アマゾンの生態系を守ることは、人間の希望を守ることである」と主張。
 アマゾン森林での生活経験があるマリナ・シルヴァ上院議員は、アマゾンの民衆に伝わる生命尊重の教えを紹介し、今こそ人類は「競争」から「共生」へ意識変革しなければならないと訴えた。

 第1日、第2日の午後には、テーマ別の「シンポジウム」を開催。「アマゾンの500年」「生命の多様性の利用と保護」「アマゾン住民の自然と開発」「経済と技術――新たな指針」等をめぐって研究者らが語り合った。



保護と開発の調和を探求

「アマゾン展」をマナウスで

SGIがブラジル環境省と共催

アマゾン展
20日間にわたって開催される「アマゾン展」。国立アマゾン研究所のフォンセッカ所長は「アマゾンの現実を教えてくれるこの展示は大変に興味深いと思います。創価学会は、NGO(非政府組織)として、アマゾンの未来について真剣に考え、希望をもたらす団体です」と。(マナウス市内で)
 「アマゾン――環境と開発展」が21日、アマゾン国際環境会議にあわせ、同会議が行われている会場でオープンした。
 テーマは「共生と希望」。同展は、SGI(創価学会インタナショナル)、ブラジルSGIが、ブラジル環境省アマゾン管理局とともに開催。原色鮮(あざ)やかな動植物の写真パネルや、アマゾンの生活と文化の貴重な写真資料、さらに、乱開発と自然破壊の状況を生々しく伝える資料を展示している。
 それら豊富な資料を通して、温暖化をはじめ地球環境の危機を訴えるとともに、開発と自然保護とを調和させた"持続可能な開発"を探求している。
 開幕式は同日午後7時半(現地時間)から行われ、各界の著名人・学識者約370人が出席した。
 式典でははじめに、ブラジルSGIのアマゾン自然環境研究センターのイノウエ所長が、池田SGI会長のメッセージを紹介。
 続いて共催者の代表があいさつを行った。
 アマゾナス連邦大学のヴァウミル・デ・バルボーザ総長は、「この展示は、生命を賛嘆する儀式です。人間によって破壊された自然は、人間のたゆまぬ努力によって再建されるのです。この展示は、人間は自然と共生していける可能性について、私たちに自覚を促しています。自然との共生と、未来への希望を示しています」と語った。
 アマゾナス州環境保護院のヴィセンテ・ノゲイラ長官は、「SGI会長が言及されているように、現代社会には、環境破壊、貧困、悲惨、紛争などが蔓延(まんえん)しています。現代の常識から言えば、経済発展と環境保護は対立しているかのように見えますが、この展示会から、私たちは共生できることを確信できるようになりました」と感謝した。
 国立アマゾン研究所のオゾリオ・フォンセッカ所長は、「自然と社会との持続的な共生の方途を求めてきた私たちは、長年の経験を展示会に役立たせていただこうと協力しました。私たちが研究・発展させてきた科学と技術も環境保護には欠かせない要素の一つです。未来の希望のための基盤を、SGIの皆さんとともに築いていきたい」と抱負を述べた。
 参加者のボリビア環境省のガインサ代表は、感想をこう寄せた。
 「大変に素晴らしい、質の高い会議であり、展示会でした。創価学会の活動はとても重要なものと思います。世界のあらゆる国が同じ目的をもって努力をしていかなければならないと感じました」


 アマゾン国際環境会議の共催・後援団体は次の通り。
 SGI、ブラジルSGI、アマゾン自然環境研究センター、アマゾナス連邦大学、国立アマゾン研究所、アマゾナス州アマゾン環境保護院、西洋アマゾン農林研究センター、ブラジル連邦森林保護院、マナウス市環境開発局。


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カルドーゾ大統領からメッセージ

 池田大作創価学会インタナショナル会長をはじめ、「第3の千年のアマゾン――望まれる共生」とのテーマで開催されている環境会議に、格別な喜びをもって、祝福のメッセージを送らせていただきます。
 環境の重要性とその保全に対する意識の高揚こうようは、現代の国際社会にとっての大きな前進であります。
 それは、1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催した「地球サミット」から始まりました。同サミットは、「環境」というテーマがどう進展するかという分水嶺ぶんすいれいでありました。
 すなわち、「発展」の概念に、「環境」を重視する持続可能な開発の要素がなければ、「人間のための発展」を成しげるげることができないということでありました。リオ・サミットは、その概念を決定的なものにしました。
 環境の保全は、ブラジルでは「アマゾン地域」が中心を占めております。アマゾンが持続的に発展し、その資源の合理的活用が保証されるためには、政府と社会からの最大の注意が必要です。
 国際的には、「アマゾン協力条約」の締結ていけつにより、アマゾンの自然資源の開発と保護を目的として、アマゾン地域の他国との共同作業を行うための法的基準が設けられました。
 すべてにより平等で、さまざまな生態系に一層の注意を払う"持続可能な開発"を目指して努力する私どもにとって、「第3の千年のアマゾン」は、その最も重要な地域の一つであることを確信してやみません。
 その確信のもと、未来のブラジルにとって、まことに意義深いテーマをかかげる本環境会議に対し、満腔まんこうの敬意を表するものであります。
(要旨)




アマゾン国際環境会議へ
SGI会長がメッセージ

「アマゾンの未来」が「人類の未来」
環境問題の解決へ 人間生命の開発を

 「アマゾン」――その名を聞くと、私の心はおどります。それは、私の少年時代からの"あこがれ"でありました。その長遠ちょうおんにして広大な流れは、かけがえのない価値を持つ"人類の母なる川"として、若きたましいせまってきたのであります。
 かつて対談したブラジル文学アカデミーのアタイデ前総裁は、アマゾンが世界を救う大きな可能性に言及され、「私は全人類のために貢献できるアマゾンを築きたい」と、熱き心情を披歴ひれきされておりました。時代は「人類えき」「地球益」を軸にして動くべきであり、そのことを志向された総裁の発言に感銘しました。
 人類は今、生存の基盤である地球の生態系の破壊という現実に直面し、自然環境と人間のいとなみをいかに共存させていくかという重大な岐路きろに立たされております。
 先ごろ、国連環境計画(UNEP)がまとめた「地球環境概況2000」によると、温暖化、熱帯林の破壊、水不足などに、きわめて深刻な報告がなされております。
 そうしたなか、環境・植林の研究を続けられる諸先生方がマナウスにつどわれ、「アマゾン環境会議」を開催されますことは、まさに「アマゾンと人類の未来」に大いなる光明をともすものと、私は深く敬意を表します。
 アマゾンの環境保護は、ただアマゾンのみに限られるものではありません。アタイデ総裁が明察されたように、アマゾンを守ることは人類を守ることです。アマゾン熱帯雨林が生み出す膨大ぼうだいなる熱量は、"地球気温の安定"に寄与しています。
 また、1000万種が生息せいそくすると言われるアマゾンは、地球における"種の実験場"であり、それを守ることが地球の生命種を守ることにつながります。
 「生命の家」としてのアマゾンをいかに守り、持続可能な開発と、どう調和させていくかは、アマゾンひいては地球の環境問題の大きなかぎであると私は考えるのです。ゆえに、アマゾンを守るために、人類の英知を今こそ結集しなければなりません。
 その英知の一つはアマゾンの人々の智慧ちえであり、そこから私たちは多くを学ぶことができます。アマゾン先住民の伝承でんしょうは、天も地も鳥も人間もすべてが関連し、一体となって呼吸していることを私たちに教えてくれます。また、それは私たちに、地球そのものが巨大な一つの生命であるとの洞察どうさつを与えてくれます。
 例えば、アマゾンのデサナ族は「どんなしゅの生きものでも、小島のごとく孤立して存在することはない」と考え、生態系の調和をはかってきたといいます。
 今世紀を代表する思想家の一人であるオルテガ・イ・ガセットは「私は、私と私の環境である。そしてもしこの環境を救わないなら、私をも救えない」(A・マタイス、佐々木孝共訳『ドン・キホーテに関する思索』現代思潮社刊)と述べました。
 この洞察は、仏教で説く「縁起えんぎ」観と近いものがあります。
 仏教では、森羅万象しんらばんしょうのすべては"りて起こる"とし、主体となる人間の生命と、それを取り巻く環境との関係性にするどく光を当てています。
 13世紀、日本に出現した日蓮仏法は、その世界観、自然観のダイナミズムを「正報しょうほうなくば依報えほうなし・又正報をば依報をもってれをつくる」(御書1140ページ)と表現しております。
 「正報」とは主体となる人間の生命、「依報」とは、それを取り巻く環境世界を指します。仏教は、これらが一体不二の関係にあるとしたうえで、「依報」である森羅万象も、「正報」という内発的な生命の発動を離れてはありえないという、ダイナミックで意志的な智慧を教えているのです。
 すなわち、人間生命を取り巻く「依報」たる環境も、「正報」である人間の生命から智慧をどう開発し、引き出すかに、その保全と再生がかかっていると説くのです。
 ゆえに私は、この生命内在の智慧の発揮を、アマゾンにかかわるすべての人々に期待したいのです。
 人間と自然の共生を図る課題に対して、最も重要な試金石しきんせきとなる「緑の大海原」アマゾン。このアマゾンにおける持続可能な開発の成功なくして、人類による環境保全は、その成果を収めることは到底できないでありましょう。
 私は、そうした観点からも、「第3の千年のアマゾン――望まれる共生」をテーマとし、地球的価値であるアマゾンの保全と開発に焦点を当てる本会議が、「共生」への有用な具体策を創出され、人類の未来を開きゆくことを心から期待しております。
 「世界の宝」のアマゾン――。そこにはまばゆいばかりの「生命の光」があります。限りない「生命の歌」がこえてきます。アマゾンがむとき、地球は病み、アマゾンが泣くとき、地球は泣くのです。アマゾンが羽ばたくとき、人類は羽ばたくのです。
 大切な地球を、後の世代に伝えゆくため、私も皆さま方とともに、このみずみずしい「生命の家」アマゾンを守り抜くことをお誓いし、私のメッセージとさせていただきます。


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