
創価大学付属自然植物園・創価学園付属野鳥研究所のフィールドとして開設準備が進められている「別海フィールド」。 今年5月から毎月、同フィールドの野鳥調査が実施され、豊かな鳥相が一段と明らかにされている。 そこで、今回は、この調査に携わっている日本鳥類標識協会会員の松尾武芳氏(山階鳥類研究所標識調査員)に「別海フィールド」の鳥類の特徴などについて聞いてみた。
松尾 これまでの4回の調査で61種の野鳥が観察されました。 そのうち初確認は、ツミ、キアシシギ、エゾフクロウ、ハリオアマツバメ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、コルリ、マキノセンニュウ、メジロ、クロジ、マヒワの13種。 また、調査に参加している動物写真家の福原幸昭氏がこの他にキセキレイを写真に収めています。 これらの調査結果を、先にまとめられた「別海フィールド鳥類リスト」(67種)に加えると、合計81種が確認されたことになります。
―― 調査結果から、別海フィールドの自然について、どのようなことが言えますか。
松尾 詳細なデータをまとめていないので正確なことは言えませんが、別海フィールドに生息する鳥類は、種・個体数ともに大変に豊富です。
これは、フィールドを構成する湿原、森林、河畔林のすべてが天然もしくは、それに近い形で保存されているからだと実感しました。
調査結果にも、このことが表れています。
例えば、アオバト、ハリオアマツバメ、アリスイなどは、天然の自然が良好な状態で残された環境でなければ生息できません。
こうした鳥たちを観察できるということは、自然度が極めて高いことを裏付けています。
―― 特に印象的な鳥との出あいは。
松尾 ふつう針葉樹林帯で見られるミソサザイが、ここでは広葉樹の河畔林に生息しています。 また、河川の渓流部にいるはずのキセキレイが、当幌川下流に位置するこのフィールドで確認されたことは、私にとって驚きです。 更に、根室地方では西側で繁殖するメジロが、東側のこの場所で確認されたことも興味深い。 それから最近、個体数が減少しているエゾフクロウが立ち寄っていることも特筆すべきことです。
―― 今後の調査で期待される点は。
松尾 これまでの根室地方の鳥類調査は、水辺の鳥に重点が置かれてきました。 その意味から、この別海フィールドでの継続調査は、森林性の鳥の季節的変化を調べる上で大変に貴重なデータになります。 それだけに、調査のやりがいがありますね。
