創価学園付属八重山野鳥・植物研究所
生命輝く豊かな楽園
創価学園付属八重山野鳥・植物研究所グループ
<聖教新聞文化欄 1989年8月24日〜10月5日 毎週木曜日掲載 全6回> より引用 (写真を含む)

- 東洋のガラパゴス
“自然”と共存し、“豊かさ”享受

サマーセミナーで野鳥を 観察する創価学園生 |
沖縄・那覇から南西へ約400km、ジェット機で1時間弱の日本の南の果て、八重山諸島――。
創価学園付属野鳥・植物研究所は、その八重山諸島の石垣島、西表島をフィールドとした豊かな自然環境の中にある。
八重山諸島の年平均気温は、23.4度と高く、ほとんどが夏のような気候。
冬に当たる時期でさえ、春のような暖かさ。
そのために一年中、ハイビスカスやブーゲンビレアの花が咲き誇っている。
まさに花と緑に囲まれた楽園という形容にぴったりの島だ。
また年降水量は、2500mm前後で、気候は亜熱帯降雨林気候。
湿度も高く、梅雨期には85〜100%にもなり、大変な蒸し暑さである。
この夏、創価学園生はサマーセミナーで八重山の夏を経験したが、毎日、熱帯夜に悩まされ、都会育ちの生徒たちにとっては、クーラーなしではとても過ごせなかったようだ。
しかし、こうした気候風土は動物、植物たちにとっては、かえって最適の生息環境なのだろう。
この八重山諸島には、本土には見られない珍しい動物、植物たちがたくさんいる。
例えば、イリオモテヤマネコ。
これは西表島にしかいない動物で、1万年ほど前に中国大陸で生存していたメタイルルスの遺存種といわれている。
またセマルハコガメは、腹甲が蝶番(ちょうつがい)のように折れ曲がり、首や手足を引っ込めてしまうと完全にフタをしてしまったような形になる珍しい動物である。
そのほか全長が40cmにもなる日本最大のトカゲ・キシノウエトカゲやイシガキトカゲなど、あげていけばきりがないほどだ。
これらの動物たちは、八重山諸島(周辺)の固有種である。
植物では、1属1種の固有種として有名なヤエヤマヤシ。
これは石垣島の米原、西表島の干立(ほしだて)、仲間川中流のウブンドルの3個所に自生しているものだが、いずれも天然記念物に指定されている。
そのほか、オモロカンアオイ、イリオモテムヨウラン、ケナガエサカキ、ヤエヤマノボタン、イリオモテガヤ、コミダケシダなど固有の植物たちが、石垣島、西表島には自生している。
こうした固有種が多いことから生物学者らは、この八重山諸島を“東洋のガラパゴス”と呼ぶ。
まさに“生物進化の島”といっていい。
こうした生物を育んできたものは、無論、豊かな自然である。
八重山諸島はこれまで交通事情も悪く、その上、マラリアが蔓延し、その為に開発の手も容易には、伸びなかった。
それが幸いし、動物・植物たちの格好の楽園となっていたのである。
しかし近年、石垣島では人口の増加に伴い、ダムの建設や乱暴な土地改良が行われ、豊かな自然もだんだん失われつつある。
また西表島にも本格的な観光化の足音が聞こえてきている。
「保護と開発」がここでも大問題だ。
何としても“自然との共存”を図りながら“豊かさ”を享受できるように心がけたいものだ。
サマーセミナーに参加した、ある生徒はこうリポートしていた。
「イリオモテヤマネコと西表島の環境は不離一体のもの。
自然の美がすばらしければすばらしいほど、自然を破壊してはならない。
自然を破壊する権利は、一体だれがもっているというのだろう……」と。
- マングローブ
仲間川流域に広がる日本最大の樹林

仲間川のマングローブ |
石垣島、西表島を訪れると、大きな川の河口や海岸線に、水に浸っていたり、外気にさらされたりしている木々に出あうことがある。
これがマングローブと呼ばれている樹林である。
マングローブとは、潮の干満の差が大きい川の河口や海岸線に発達した樹林の総称で、西表島にはヤエヤマヒルギ、オヒルギ、メヒルギ、マヤプシキ、ヒルギダマシ、ヒルギモドキの6種類がある。
特に、天然保護区域に指定されている仲間川流域に広がるマングローブ樹林は、約200haもあり、日本最大のもの。
ここを訪れる人達は、この辺りを“日本のアマゾン”とも呼んでいる。
マングローブは、根が水や海水に浸ってしまうので、根腐れを防ぐために、水面上に根を出して生きている。
その根の形もさまざま。
例えば、タコの足のような格好をした支柱根、膝を立てたような膝根、たけのこが林立したような呼吸根。
皆、それぞれに個性があり、自然の妙を楽しませてくれる。
種子は胎生種子といわれ、果実が木から離れないまま発根し、生長するという変わり種である。
そしてそれが成熟するとキュウリのようになり、自らの重さに耐えかねて落下するのである。
ところで、このマングローブ樹林の中で、互いに共存し合いながら生きている魚類や鳥類たちもいる。
まず島の人々が「トントンミー」と呼ぶミナミトビハゼ。
マヤプシキの呼吸根やそのそばでよく日なたぼっこをしている。
近づくと泥の上をピョンピョンとびはねて逃げていく。
また、泥の上には10cmほどのキバウミニナがゴロゴロ転がっている。
これは日本最大のウミニナである。
「このニナは昔、矢じりに使われたんじゃ。これが増えるといくさになるちゅうて、皆一生懸命食ったもんじゃ。またこれがうまいんじゃ」と島の古老はしわ顔で話してくれた。
またマングローブ樹林の泥地には大人の握りこぶしほどの大きさのシレナシジミがいる。
これも食用になるが、殻の大きさのわりには身が小さい。
そのほか、40〜50cmの泥の塔を作って生活しているオキナワアナジャコ、大きなはさみを持つカニ・ノコギリガザミ。
特にノコギリガザミは育った場所の海水濃度の強弱によって甲羅の色が違う。
ゆでると真っ赤になる。
また、コメツキガニやハクセンシオマネキ、ベニシオマネキ、さらにはコサギなどの鳥類も採餌や休息場所としてマングローブを利用している。
こうして魚類や鳥類たちは、マングローブの恩恵を受け、生きているのだ。
海洋性のプランクトンの生産量に比べ、マングローブの生産量は100倍以上といわれているが、それはつまりマングローブの落ち葉が餌となり、微生物を育てる源となっているからだ。
東南アジア等では豊かさの源であるマングローブを乱伐し、お金に換えてきた。
しかし、今では自然の恵みの方が大切であることを学んだという。
石垣島、西表島のマングローブは、断じてそうあってはならない。
いつまでもその豊かさを保ち続けていきたいものである。
- イリオモテヤマネコ
生態系の頂点に立つ特別天然記念物

イリオモテヤマネコ |
「ヤマピカリャーや、でーずぬ、んまさーん(ヤマピカリャーは、すごくうまい)」。
昔、山猫を食べたことのある島の老人は、ヤマピカリャーの話になると、その味が忘れられないのか、もう一度、食べてみたいものだと言う。
このヤマピカリャーとは、今世紀最大の発見といわれるイリオモテヤマネコのことである。
1972年に国の特別天然記念物に指定されて指定されてしまっているので、今では食べることはおろか、捕獲することさえも禁じられている貴重な生物である。
だとすると、先の老人の話は、イリオモテヤマネコの味については、唯一の証言になるかもしれない。
西表(イリオモテ)島は日本最後の秘境である。
舗装された道路は、北半分を半円状に走る北岸道路だけだ。
90%が亜熱帯の原生林に覆われ、その島の中へは人は容易に入り込めない。
今でも飛行機で上空からしか確認されたことのない幻の湖があると言われているほどだ。
こうして人を寄せつけない自然の中で、1000万年前の太古の昔からイリオモテヤマネコは生き続けてきたのだ。
イリオモテヤマネコはヤママヤー(山に住む猫)とかヤマピカリャー(山の中で光るもの)と呼ばれ、古くからその存在を島の人々に認められてきた。
島の人々にとっては、イリオモテヤマネコも、昔から共に生活をしてきた住人なのである。
そのため特別な関心を持つこともなく、また直接の利害関係もなかったことから、発見が遅れることになったのである。
学術的発見の端緒は、琉球大学の高良鉄夫名誉教授や動物作家の戸川幸夫氏が、島民が話す山猫の話に興味をもったことに始まる。
はじめは、狭い島に新種のネコがいるなどとは信じられなかった。
しかし毛皮や頭骨の詳しい研究から、1967年に他地域にはいない新属新種であることが明らかになり、更に中国大陸から化石として出てきていた「メタイルルス」と呼ばれるネコからあまり変化していない、ということも明らかにされたのである。
徹底的な調査により、標高200m以下に縄張りを形成し、単独で生活していること、夜行性でコウモリ、イノシシの子、鳥類、ヘビ、カエル、魚類、昆虫等を捕食していることが明らかになった。
また生息数は多く見積もっても100頭ほどと推定されている。
最近、野生のイノシシの減少に伴って、イリオモテヤマネコの絶滅が心配される。
ただでさえ数が少なく貴重な彼らを保護するため、環境庁では餌の豊富な6月中旬から8月末を除いて給餌作戦を行っている。
しかし人為的な保護行為は、かえって“野生”を奪うのではないかなど様々な問題もはらんでいる。
環境庁特別保護動物検討委員の親盛長明氏は「西表島の豊かな自然とイリオモテヤマネコは表裏一体である」と語る。
しなやかな体、太い尾、丸い耳介。
イリオモテヤマネコは西表島の生態系の頂点に立つ動物である。
この西表島の主人公ともいうべきイリオモテヤマネコが、滅びずにその姿を見せてくれる限り、西表島の自然の豊かさは心配なさそうである。
この夏、創価学園のサマーセミナーで島の人は「ヤマピカリャーより一回りも二回りも大きいヤマピカラーがいるはずだ」と語っていたが、もしそれが事実ならイリオモテヤマネコ以上の発見であり、それは各方面に大きな反響を呼ぶに違いない。
- バードアイランド
豊かな自然は豊かな心あってこそ

ひなに餌を与えている リュウキュウアカショウビン |

カンムリワシ |
「あっ! ひなのくちばしが見えた。やはり巣だったんだ」。
今夏のサマーセミナーの早朝探鳥会でのこと。
リュウキュウアカショウビンが研究所の建物のすぐそばにあるデイゴの木(赤い、その花は沖縄の県花)に、しきりに飛んでくるので、ひょっとしたら営巣しているのではと思い、探してみたところ案の定、木の一番上に穴が開いていた。
息を殺して遠くから見ていると親鳥が帰ってきて、そして餌をひなに与えた、その瞬間、ひなのくちばしが見えたのだ。
警戒心の強いリュウキュウアカショウビンは、普通人里には営巣しないから、こんなところに巣を作るのは珍しい。
これには早起きをし、眠い目をこすっていた生徒たちもびっくりしていた。
石垣島、西表(イリオモテ)島は、バードウォッチングを楽しむのには、最高の場所かもしれない。
日本で見ることの出来る鳥は、530種程と言われているが、そのうちのおよそ300種をこの島で見ることが出来るのだ。
これも日本と中国大陸、東南アジア方面との渡りの中継地だからだろう。
ところで渡りで有名なのはサシバ(ワシタカ科)。
彼等は東北から九州にかけ、繁殖を済ませたあと、9月中旬に九州の佐多岬に集結。
琉球列島ぞいに東南アジア方面へ移動を開始し、石垣島へは10月に群れをなして訪れる。
早朝観察していると、バンナ岳の麓付近から彼等は舞い上がり、円を描き、群れをなして飛んでいく。
秋空に舞う華麗な彼等の姿は、見る人の目を楽しませ、そして3月下旬にまた東南アジアから戻ってくるのだ。
この島には黒牛や水牛も多く、周辺にはアマサギが群れをなしているが、その風景は実にのどかである。
また水田やその周辺にはシロハラクイナをよく見かける。
昔は、見かけるとニュースになったと言うが、今は異常なほど多く発生し、車にひかれて死ぬことも多い。
一方、シロハラクイナと対照的に数が減っているのが、バン。
どうやらシロハラクイナと生活圏が一致していてバンが競争に負けているらしい。
夜の主役は、コホー、コホーと鳴くリュウキュウコノハズクだ。
両手を組み合わせて笛を作り、鳴きまねをすると、飛んできてはテレビアンテナにとまったりする。
暗闇に赤く光る目が印象的である。
それから何と言っても八重山諸島を代表する鳥は、特別天然記念物のカンムリワシである。
今では西表島以外ではほとんど見ることができないようだ。
夏は子育てに忙しいのか、里に来ることはない。
しかし春には道路ぞいの電柱で、人を怖がることなく羽を休めていることが良くあるので、すぐ近くで観察することもできる。
その他、リュウキュウキンバト、アカヒゲ、カラスバトなどの天然記念物も生息しており、この島はまさに“バードアイランド”。
日本野鳥の会・八重山事務局長の島袋憲一氏は、この島が永遠にバードアイランドであるためには「人間に豊かな心と温かな目が必要」と語る。
- 海のパラダイス
人間は自然との共存の道探れ

サマーセミナーで 海中の生物を 観察する学園生 |
沖縄と言えば、青い美しい海を思い浮かべる人が多い。
特に、八重山の海はその海の美しさとともに、マンタ(10畳もある巨大なイトマキエイ)が通るヨナラ水道があることから、ダイバーたちには人気が高い。
学園生はこの八重山の美しい海をサマーセミナーで体験した。
西表(イリオモテ)島の北の沖にあるサンゴ礁の小さな無人島・バラス島に上陸し、周辺の海で思う存分泳ぎ、海中の生物を観察することができた。
コバルトブルーやエメラルドグリーンに色を変える美しい海。
その水面に顔をつけると、都会では観賞用の熱帯魚として水槽でしか見ることのない様々な魚を見ることができるのだ。
鮮やかなブルーのコバルトスズメ、イソギンチャクを住家とするカクレクマノミそしてホンソメワケベラなどなど。
ホンソメワケベラなどは人間を大きな魚と間違えたのか、泳いでいると足をくすぐったりする。
チョウチョウウオの仲間もサンゴの間を見え隠れしている。
夢中になって魚を追いかけていると、突然アオマダラウミヘビが目の前を横切っていく。
毒を持つので、あまりおめにかかりたくないが、青い筋の美しさには思わず見とれてしまう。
島の人がグルクンと呼ぶ魚、タカサゴもサンゴ礁にたくさんいる。
唐揚げにすると頭から尾まで何も残さずに平らげることができる。
このほか、ウニ、ナマコ、ヒトデ、貝などの仲間も数多く生息。
サンゴ礁が生物たちに住みよい環境を提供しているのである。
ところで西表島には、“星砂の浜”という非常に興味深い浜がある。
これは夜空に輝く星が海に落ち、その星が浜にたどり着いたと言うことから、その名がついたのだが、実は、その正体はサンゴ礁に住む生物、バキュロジブシナの遺骸(殻)なのだ。
手のひらを砂浜に押し付けると、この星の砂だけが手のひらについてくる。
お土産屋でしか星の砂を見たことのない生徒たちは大喜びであった。
サンゴ礁の海でとれる魚介類もさることながら、島の人の生活にとって欠かすことのできないのがサンゴそれ自体である。
サンゴ石灰岩で石垣を作り、キクメイシやノウサンゴを土台石とし、またクサビライシはおろし金として利用してきたのだ。
こうした八重山の美しい海は、サンゴをはじめとする海の生物達のパラダイスだ。
しかし、最近は魚介類がめっきり少なくなったと、地元のダイバーはため息まじりに話してくれた。
「10年前は、今の10倍魚がいた。ところが稼ぎが良いので漁師がどんどん増え、魚をとり過ぎてしまっている。八重山の海は放って置けばすぐに魚は増えるはずなのに、人間は海を休ませることを知らない」と。
また、土地改良によるマージ(赤土)の海への流出は、透明度の高い海でしか住めないサンゴにとっては致命的である。
サンゴが死滅すれば、そこに住む生物たちも決定的な打撃を受けることを考えると、島の人々は否応なしに自然との共存の道を考えなくてはならない時にきている、と思われる。
- 西表島の原生林
未知の生物が存在する可能性も……

板根が見事な サキシマスオウノキ |
何と言っても、西表(イリオモテ)島の楽しみは、亜熱帯のジャングル探検。
浦内川をボートで上り、アドベンチャー気分を味わいながら、島の奥地まで入っていくのだ。
浦内川は沖縄県最大の川だが、その広い河口に向かう途中には日本最大のマダラチョウ・オオゴマダラやリュウキュウアサギマダラが飛びかっている。
また葉が退化して小枝が葉の役目をしているというモクマオウも観察できるが、これは島の人々が防風林として植えたものだ。
そのほか、グンバイヒルガオなどの海岸植物や防風、防火の働きをしているフクギが民家の周りに植えられていた。
さて、浦内川の河口からボートに乗り込んで、川上りをしてみよう。
河口周辺は、マングローブ林が良く発達していて、アマゾンのような景観を存分に楽しめる。
マングローブの奥にはパイナップルに似た実をつけるアダンや、根が浅く地上で屏風のような板状をなし、船の舵に利用されてきたサキシマスオウノキ、更にはガジュマル、サガリバナなどがあり、森を形成している。
川面に目を移すと、時折、ゆっくりとサガリバナの花が流れてくる。
その光景は、実に美しい。
あまりの美しさに、人間が川の中に誘いこまれそうになることから、島の人達は幽霊花とも呼んでいるそうだ。
川を上って行くと、やがてマングローブが切れ、リュウキュウチク、ツルアダンが見え始め、オキナワジイ(イタジイ)、オキナワウラジロガシなどが森林を形成していた。
その森林の間に群落を作るヒカゲヘゴは、巨大な木性のシダで、今にも恐竜が出てきそうであった。
またコウシュンモダマはジャックと豆の木を連想させ、1m以上もある豆のさやを垂らしていた。
河口からボートで約30分、終点の軍艦岩に着く。
船付場から川の中を覗いてみると、ボラ、ミナミクロダイなどの海水魚が、澄んだ美しい水の中で泳いでいるのが見える。
山が低いため、こんな奥まで海水が混じり込んでいるのだ。
軍艦岩の上流は淡水で、陸封型のハゼやコンジンテナガエビ、オオウナギが生息。
更に、上流のマリュウドの滝、カンピレーの滝を目指して、山道を歩いて行くと、木にまとわりついているハブカズラや、樹上に着生するオオタニワタリなどが見られる。
これらは観葉植物としてよく知られているが、自然の中で本来の姿を見ることの何と素晴らしいことか…。
足下では、サキシマカナヘビやサキシマキノボリトカゲがチョロチョロしていた。
ギランイヌビワは、太い幹から緑色の丸い果実がニョキニョキ生えているために、初めて見る人には驚きのようだ。
映画に出てくる宇宙植物といった感じである。
マリュウドの滝、カンピレーの滝に着くと、川床を作る岩の表面に、ポットホールと呼ばれる穴がいくつも開いている。
窪みに入った石ころが水の力で回転し、長い年月をかけて穴を開けたものだ。
中には、人がすっぽり入ってしまう大きさのものもある。
その穴の一つを覗き込むと、体が透明なおたまじゃくしがいた。
ヒメアマガエルの幼生だ。
西表島の原生林は、まさに大自然そのもの。
手つかずの自然がどんなものであるかを教えてくれる。
まだまだ未知の生物がいるかも知れないという期待もあり、今後の調査研究が楽しみである。
