イリオモテヤマネコの棲む島・西表
国定特別保護動物検討員 親盛 長明氏

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| 裏内川 |
沖縄・八重山諸島のなかで沖縄本島に次いで大きい西表島。
全面積の半分近くが国立公園に指定され、亜熱帯の樹林が一年中青々と繁茂する。
島の90%が山林で占められ、東部の仲間川、西部の浦内川などの流れが
6キロ以上もジャングルの間を蛇行している姿はアマゾンを思わせる。
風土病マラリアとの何百年もの闘いと第二次世界大戦の悲嘆とを乗り越えてきた島は、
今、平和で自然の満ちあふれた島に変わった。
ここでは20世紀の生きた化石といわれるイリオモテヤマネコやカンムリワシ(天然記念物)など多くの動物と、
ヤシ、マングローブ、サキシマスオウの群落など、素晴らしい天然の原生林に接することができる。
「森林は人類の故郷」という言葉を借りるまでもなく、生きた自然こそが人類の不安なき生活の豊かな土壌である。
西表島は、正に汚染世界の中で人類が求める絶対安全地帯との感がする。
この西表島の豊かで美しい自然を人類の生命の糧として守り続けたい。
(大白蓮華第476号 裏表紙、平成2年8月1日号より)
