2000年4月より「霧島フィールド」(九州研修道場)が名称を改め、自然と人間の共生の場として一層の充実を図っていくものとして「21世紀自然研修道場」としてスタートいたしました。 この自然研修道場一帯は、植物から野鳥に至るまで、豊かな自然環境が広がる動植物の貴重な研究フィールドでもあります。 これまでも創価学園 野鳥・自然環境研究所のフィールドとしてサマーセミナーなどで生徒たちに自然環境保護の意識を啓発する教室となってきました。 石井久夫研究員より、霧島フィールドの野鳥調査報告が届きました。 今後、別海・霧島・八重山・霧ケ峰等の委嘱研究員からの報告を、随時掲載してまいります。

霧島フィールドは、鹿児島県姶良(あいら)郡牧園町の東部に位置し殆どが霧島屋久国立公園指定区域内にあり、豊かな南九州の自然に恵まれた環境である。
標高700mから1100mに位置し、常緑広葉樹林(ヤブツバキクラス)を主体として標高の高いところには夏緑広葉樹林(ミズナラ・ブナクラス)が広がり、一部にスギ、ヒノキの造林地をもち周囲を国有林に囲まれた素晴らしい立地条件をもつフィールドで豊富な植物相、動物相にささえられ、鳥についても四季を通じていろいろの種が観察されている。
創価学園の野鳥研究所準備委員会の発足以来調査が続けられ、1991年6月に霧島フィールドの植物・野鳥調査報告(第1次報告)をまとめた。その後1998年から現在まで第2次の野鳥調査を実施している。今回はその中間報告という形で2000年5月までの約2年間の成果を報告いたします。
今回の調査は、前回同様に旭日道場の柿の実公園を基点(地図参照)として池田庭園より仏界台を経由して久遠庭園入口まで、そこから経の滝、再び仏界台より総合案内所を経て牧口公園までのコースを設定して観察を行った。
主として、点調査・線調査で、点調査は牧口庭園と仏界台の上部を定点として20分間を観察時間とし、あとは上記のコースを時速2kmのロードサイト調査として確認できた鳥類の種名、個体数、さえずり等を特に観察幅は定めずに記録するようにした。
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今回の調査のまとめとして調査野帳に記載された感想を先に挙げると次の通りである。
この度、本格的に野鳥・自然環境研究所として発足を見たので自然環境と野鳥の関係を鳥の立場に立って調査研究を行うことが大切であり、それが自然保護の立場から見ると環境保全に役だち、研究所としての役割は重大なものになる。 現在、定点の観察は20分で実施しているが環境庁の調査要領のとおり30分に改正したらと思っている。 調査の結果にも記したとおり、カモ類の採餌通路があるので、特に冬の夕方の5時30分頃の観察を強化すればいろいろのカモ類の確認ができるのではないかと思う。 本フィールドでは地理的・地形的な要因もあり、池がないのでカモ類の観察は皆無であったので上空通過を観察するのも一方法であると思う。 加えて、九州の西海岸はアカハラダカの渡りのコースとして有名で、本フィールド上空も最近の調査で,白鳥山から南下するコースでアカハラダカが観察されているので、調査日時を渡りの9月中旬から下旬にあわせると、アカハラダカの南下が観察できると思う。 事実、韓国岳の上空を南下するコースが確認されている。 余裕ができたら夜間の調査(フクロウ類)も必要となるだろう。
最近、自然環境破壊や悪化に伴って自然環境を保全することがいかに大切かということが力説されている。 本フィールドの恵まれた自然のなかで野鳥たちが生き生きと生活していることは、自然の調和がとれていてバランスよく食物の連鎖が機能していることだと思う。 野鳥を育む自然条件が豊かで自然の生態を学ぶのに適した環境といえよう。 将来を見据えて若者達に地球環境の大切さを理解させ、自然・人類にする思いやりを培う環境教育の場として大いに利用されなければならない。 21世紀の次代を担う若者達に自然の大切さを体験させ、その微妙な自然のバランスの仕組みを会得させる勉学の場としての野鳥研究となるべくその基礎を作らねばならない。 豊かな野鳥の生息するバックグラウンドをもつ本フィールドの存在価値は高まり期待されるものであろう。
ワシタカ目 FALCONIFORMES
ワシタカ科 ACCIPITRIDAE
キジ目 GALLIFORMES
キジ科 PHASIANIDAE
ハト目 COLUMBIFORMES
ハト科 COLUMBIDAE
ホトトギス目 CUCULIFORMES
ホトトギス科 CUCULIDAE
ブッポウソウ目 CORACIIFORMES
カワセミ科 ALCEDINIDAE
キツツキ目 PICIFORMES
キツツキ科 PICIDAE
スズメ目 PASSERIFORMES
ツバメ科 HIRUNDINIDAE
セキレイ科 MOTACILLIDAE
サンショウクイ科 CAMPEPHAGIDAE
ヒヨドリ科 PYCNONOTIDAE
モズ科 LANIIDAE
カワガラス科 CINCLIDAE
ミソサザイ科 TROGLODYTIDAE
ヒタキ科 MUSCICAPIDAE
ウグイス亜科 SYLVIINAE
ヒタキ亜科 MUSCICAPINAE
エナガ科 AEGITHALIDAE
シジュウカラ科 PARIDAE
ゴジュウカラ科 SITTIDAE
メジロ科 ZOSTEROPIDAE
ホオジロ科 EMBERIZIDAE
アトリ科 FRINGILLIDAE
ハタオリドリ科 PLOCEIDAE
カラス科 CORVIDAE
以上
