INSTITUTE of NATURAL SCIENCE and EDUCATION in SOKA SCHOOL SYSTEM

野鳥・自然環境研究所報告

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第6巻第2号 (通巻第22号)

2006年12月28日 発行


創価タイムの実践

---関西創価小学校の取り組み---

関西創価小学校教諭  武田正明


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[創価タイム 重点課題]

一、 一人ひとりの可能性を開き、生きる力を育む。
一、 他人の立場に立ち、思いやりを持って行動する心を育てる。
一、 目を世界に向け、平和を大切にする心を育てる。


[創価タイム 内容のポイント]

1、 「人と人」「人と自然」「人と社会」などの触れ合いや体験を重視する。
2、 勉学によって得た知識が生活上の智恵としてとして、子どもたちの実生活に生きる教育を行う。

 関西創価小学校では、上記の重点課題や内容のポイントに基づき、創価タイムの学習を進めている。この取り組みも、本年度で9年目となる。創価タイムの目指すところは、教科の枠にとらわれず、体験的な学習を通して、児童一人ひとりの可能性を伸ばし、人間性を磨くことにある。
 学習内容は、「平和教育」「環境教育」「国際理解教育」「ボランティア活動」「栽培活動」など多岐にわたっているが、児童が関心と興味を持って、主体的に取り組めるよう、各学年でカリキュラムを工夫しながら取り組んでいる。創価タイムの活動を通し、児童一人ひとりの可能性を開き、創造性・国際性を育む豊かな人間教育の実践となるよう全校をあげて研究を重ねている。


【1年生 創価タイム】

【あさがおを育てよう】

アサガオ
 1年生では、毎年あさがおの栽培を行っている。今年も見事な花がたくさん咲き、子どもたちは大喜びであった。自然に触れる∞花を育てる♀動の中で子どもたちの心も大きく育っていったように思う。
 5月6日、子どもたちにあさがおの種を配り、自分の植木鉢に種を植えさせた。まず最初に種をじっくり観察させ、「はっけんカード」に種の絵を描かせ感想を書かせた。
 5日後、早速一人の子の植木鉢に小さな芽が出ていた。朝から教室は大騒ぎ。心から感動しているようであった。翌日から次々とあさがおは芽を出し、子どもたちに歓迎されていた。自分の植木鉢から芽が出たということは、1年生の子たちにとって大変な感動であったようである。
 5月20日、双葉の観察。その後、本葉が出てきたが、双葉と本葉の違いもしっかり観察させた。
 「先生あさがおの花が咲いたよ!」 登校するなり大騒ぎをしていた。何人かの子どものあさがおの花が咲いたのである。その感動している姿に、「1年生の子どもたちはなんと純粋な心の持ち主なのだろう。」と教師自身が感動させられた。美しいものを美しいと感じられる素晴らしい心を1年生の子どもたちは持っている。この心を大切に育んでいきたいとも思った。
 7月8日、きれいに咲いたあさがおの花を使って色水作りをした。ビニール袋にあさがおの花と水を入れ、揉んで色水を作った。青色の花の色水の中に石けん水を入れると赤色に、赤色の花の色水の中にレモンの汁を入れると青色にと変化する。その不思議な変化を子どもたちはマジックを見ているようにきょとんとしながら見ていた。
 8月下旬から9月上旬にかけて、たくさんの種ができた。うれしそうに種をとっていた。集めた種は、数えきれないくらいたくさんあった。その種はみんなで分けて封筒に入れて持ち帰らせた。
リース
 10月7日、枯れて残ったあさがおのつるを使ってリースを作った。何本か束ねたつるをねじりながら丸いリースに仕上げていった。2学期の終了日まで、教室をきれいに飾ってくれていた。家に持って帰った後も、ドアのところや自分の部屋に飾っているとのことであった。
 種を植えるところからリース作りまで、ライフと創価タイムの時間を使って、まったく無駄なく教材化することができた。やはり、栽培活動を通して、子どもたちは、自分の心を育てていくようであった。自分がお世話をしないと枯れてしまうことを学んだり、自然の摂理を学んだりしながら、生きていくことの意味も感じ取ってくれたようであった。嬉しそうにリースを作っていた姿、自分の育てた花からとれた種を感動しながらじっと見つめていた姿が忘れられない。
 この種のように、子どもたちにも無限の力が秘められている。「みんなもこの種と同じように、すごい力があるんだよ。」と種を収穫していたときに話をしたが、いつまでもこのことを覚えていてほしいと願っている。



【2年生 創価タイム】

【おもちゃ大会をひらこう】

おもちゃ大会
 2年生は、とても活発で、好奇心旺盛な児童が多く、何事でも、興味を持って取り組むことができる。そんな子どもたちの楽しみな学習の1つにおもちゃ大会がある。
 まずは、「1年生に喜んでもらえるようにどうしたらいいか。」とクラスで話をした。たくさんのアイデアが出た後は、実際に小さなグループに分かれての企画書作り。グループは、仲良しグループだったり、おもちゃ作りの内容でグループを作るなど、人数も様々だったが、すぐにグループができあがった。早速、話し合いがスタートした。
 画用紙の切れ端など、捨てずに置いておいた物が、真心こもった景品に姿を変えていくなど、廃棄物を利用し、様々な作品を作り上げる児童の発想は、本当に豊かであると感心した。途中で、言い合いをしながらも、話し合いをし、「どうしたら喜んでもらえるか。」を一生懸命に考える子どもたち。自分たちで解決する力もちゃんと持っていることにも成長を感じる場面であった。
 おもちゃ大会は、午後の創価タイムの時間に、2年生の教室と、ランチルーム2Fの一部をつかって行うことになった。朝から、午後のことを考えて、そわそわしていたが、休み時間には、おもちゃの念入りなチェックや、景品作りに一生懸命で、1年生に廊下で出会うと、「何組?」「今日おもちゃ大会やから、絶対に来てな。」と宣伝にも熱がこもっていた。順番を並べたり、シールを貼ったり、遊び方を説明したり、景品を選んでもらったりと大忙しの2年生。しかし、どの子も満足の笑顔で、あっという間に大成功でおもちゃ大会が終了した。
おもちゃ大会
 おもちゃ大会の出来事で、次のようなことがあった。1年生の一人の子が、景品を入れた袋をなくしてしまった。その子は、お兄ちゃんからもらったしおりをなくしてしまい、涙を流して落ち込んでしまっていた。その袋を探すために2年生の子たちも走り回り、見つからないまま、おもちゃ大会の時間が過ぎてしまった。最終的には、別の子が間違って持っていたため、見つかったのだが、2年生の児童は、そのことを通して、「自分たちが作ったしおりを、泣くまで大切に思ってくれて嬉しかった。」と話してくれていた。また、「私は、1年生の時に風邪でおもちゃ大会ができなかったから、1年生の喜んでいる顔を見たら、すごく嬉しかった。」と話してくれるなど、興奮して語る子どもたちの笑顔は輝いていた。「創価学園の合言葉」に、「先輩は後輩を、弟・妹のようにかわいがって、大切にしていかねばならない。」とある。関西創価小学校の子どもたちは、この合言葉の通り、後輩を大切にしようと頑張っている。この姿は、日常の登下校の中でも現れていると感じる。これからも伝統を生かしながら、更に良い方向に進めてまいりたい。



【3年生 創価タイム】

【平和の心を学ぼう】

えんとつ山
 3年生では、ライフ科の中で、自分たちの通う町・枚方市について学習する。学年の各教科を通じて、戦争について考える教材も多くある中で、更に創価タイムとして本校の特色を生かした「平和学習」の取り組みを充実させている。


えんとつ山(妙見山貯水池)を探検

 ライフ科で、屋上から学校のまわりの様子を観察する単元がある。そこで、本校の東に、大きな古い煙突があることに気づかせる。校区探検の学習を通して、その煙突が、実は戦争中の火薬工場の名残であることを知る。

「ヒラリヨン」の見学

ヒラリヨン
 平成10年、枚方市の新しい平和のシンボルとして「ヒラリヨン」が枚方市役所前に建設された。小学校から電車で2駅。校区探検の一環として足を運んだ。府下の他市町村に先駆けて「非核宣言都市」を宣言した枚方市のかつての戦争の歴史を振り返ると共に、「平和」が、皆の共通の願いであることを子どもたちは学んだ。市の職員の方も説明の労を執ってくださり、定刻外であったが、鐘の音を聞かせてくださった。

「戦争」について学ぼう

 更に詳しく学習を進めるためこれまで次のような取り組みも行ってきた。

  1. 戦争のお話を聞く
  2.  元校長の宮田先生や佐藤先生をお迎えし、ご自身の戦争体験を話していただいた。
     宮田先生からは空襲が起こり、多くの同級生を目の前で一瞬にして失ったこと。また、佐藤先生からは、原爆投下のお話など、戦争の生々しい体験が語られ、児童は大きな衝撃を受けていた。


  3. 視聴覚教材の活用
  4. 平和たこ
     「ぞう列車がやってきた」「ヒロシマに一番電車が走った」「火垂るの墓」等、の教材も有効活用した。必ず感想をとり、まとめるよう意識をした。


  5. 「平和たこ」をとばそう
  6.  世界平和記念週間の取り組みの1つとして、「平和たこ」(カイト)を作成。各自が思い思いの絵を描き、平和への思いを託してたこあげをした。「ちいちゃんのかげおくり」でも「かげおくり」のできる空が、平和の象徴であったように、たこあげができること、そのものが平和であることを感じたひとときでもあった。


「世界平和記念集会」でアピール

 3年生の平和学習の取り組みをビデオにして「世界平和記念集会」の折りに、全校に紹介した。児童がナレーターをつとめ、年間を通じての3年生の平和学習の成果を発表。創価タイムの取り組みを通して、平和について真剣に考えるようになったとの感想が多く寄せられた。



【4年生 創価タイム】

 4年生の創価タイムでは、校内にある竹林の竹を使い、家族へ贈る竹踏み作りを行った。小学校の校庭の一角にある平和竹林には、約二千数百本のモウソウ竹が群生している。この竹林では、伝統的な竹の子ほりが、毎年4月に行われている。

【竹踏み作り】

平和竹林
 11月23日の勤労感謝の日に家族にプレゼントをしようと、平和竹林の竹を使って竹踏み作りをおこなった。

  1. 竹を切りわける
  2.  3、4本の竹を切り、細すぎず、太すぎない真ん中の部分を使った。のこぎりをあまり使った経験のない子どもたちは、興味津々で、男女ともに「ぼくに切らせて!」「私もしたい!」と、大騒ぎだった。危険な活動でもあるので落ち着かせてから、教員が竹を押さえて子どもたちが順番に竹を切っていった。横にきるのは大変なのに、縦はどうしてあんなにスパッと切れるのか不思議そうだった。


  3. 竹をみがく
  4.  切り分けた竹を、紙ヤスリを使ってみがく作業を行った。初めは粗めのヤスリを使い、仕上げに細めのヤスリを使った。子どもたちは、プレゼントする相手が気持ちよく踏めるようにと、一生懸命必死になって磨いていた。


  5. 竹を装飾する
  6. メッセージ
     つるつるに磨いた竹踏みに、仕上げとして裏に思い思いの絵やメッセージを書いた。心の込もったメッセージとカラフルな絵をのせたとても可愛い竹踏みができあがった。


  7. 家族にプレゼントして
  8.  いよいよ勤労感謝の日。家族にプレゼントした後の、子どもたちの感想をいくつか紹介したい。

    • 竹をこするのが、とってもしんどかった。でも今は、家族のみんなが踏んでくれるのでよかった。
    • お父さんは嬉しそうに笑ってくれ、お母さんは「ありがとう。」といってくれた。とっても嬉しかった。


     竹踏み作りを通して、竹のすごさや丈夫さに気づくともに、誰かのために物を作るということの喜びを感じたのではないだろうか。子どもたちは、竹の大きさや太さ、ヤスリがけの仕方にも、どういうものが踏みやすいか、どうすれば踏んだときに気持ちいいか、ということを考えながら活動を進めていた。相手のことを思いながら、相手の気持ちを考えながら作ることの大切さ、また大変だったからこそプレゼントした相手が、喜んでくれたときの嬉しさは、とても大きいということを学んでくれたのではないか。



【5年生 創価タイム】

 本年は、子どもたち一人ひとりが自分の生活を振り返り、食事や安全などについて、様々な手段(インターネット・本・インタビューなど)を使って調べ、体験や感じたことを生活に生かせるよう力を入れてきた。。

【米作りを通して】

  1. 田おこし 2005.4.18
  2. 田おこし
     昨年の5年生が稲刈りを終えてレンゲの種まきをし、レンゲの花が見事に咲いた。レンゲを蒔く理由は、レンゲの根にある粒が肥料に変わるからである。レンゲを摘み、大きな石や、雑草を抜いて田んぼの基礎を作った。


  3. 代かき 2005.6.3
  4.  田んぼに水を張り、数日がたつと堅かった土もドロドロになった。
     まだ残っている土のかたまりをほぐし、田植えをしやすくする。


  5. 苗の生長 2005.6.28
  6.  田植えを行った後、初夏の日差しを浴びながら、イネは、背丈をのばし、株もどんどん増えてきた。


  7. 肥料 2005.8.3
  8.  水面が見えないぐらいに稲は生長した。秋に近づいた頃、花が咲いた。花の色は白。実になる部分は、緑色をしている。


  9. 防鳥ネット 2005.10.6
  10.  稲が黄金色になり、稲穂がたれてきた。鳥に食べられないよう、オレンジ色の防鳥ネットを張った。


  11. 稲刈り 2005.10.27
  12. 稲刈り
     いよいよ稲刈り。稲の持ち方、鎌の持ち方を教わり、刈った。はじめは、ドキドキしていた子どもたちもザクザクという感触を楽しみながら刈っていた。刈り終えた稲を束にし、乾燥させる。


  13. 脱穀 2005.11.8
  14.  稲の穂から籾を取る。割り箸の切れ目の間に穂を挟み、手前に引くと、籾だけがポロポロとれていく。


  15. ごはん作り 2005.11.14
  16.  調理実習では、耐熱ガラスの鍋を使ってごはんを炊いた。いつもは、炊飯器に入れてスイッチを押せば、勝手に炊きあがるごはんを、目の前で炊きあがる様子まで勉強した。ごはんを蒸らし終わるまで、鍋の蓋を開けるのをじっと我慢し、かけ声と共に、皆で蓋を開け、炊きあがったばかりの真っ白なごはんが目に飛び込んできたときには、歓声が上がった。おいしさと感動を噛みしめながら食べる様子が、印象的であった。
     普段食べているものがどのように作られるのかを体験して知った子どもたちは、食べ物に対する関心が深まったようである。ライフの家庭科の授業と関連させながら、加工食品の学習や、栄養素についても学んだ。お米作りや食の学習を通して、食への理解を深めることができた。



【6年生 創価タイム】

【藍の栽培学習 後継の誓いを学ぶ】

 6年生では、藍の栽培活動に取り組む。すでに8年余にわたる実践を積み重ね、1つの伝統となっているこの栽培活動は、本校で、創価タイム元年と位置づけられる平成10年度にスタートした。
 単に植物の栽培学習ということに終わらず、6年生としては、「なぜ、それを育てるのか」ということにこだわった。「従藍而青」という言葉についても学び、この1年、創価小の最高学年としての自覚を深く持って臨むことを誓いあい、この学習をスタートするのである。


3月 種まき

藍の栽培
 ここ数年の流れで、5年の3学期末に、藍の種まきを行う。1学期の児童の学習計画を考えたときに、この時期が一番望ましい。いよいよ最高学年としての1年間がスタートするという自覚も高まり、年度の締めくくりの取り組みとして大変良い機会となる。
 藍の栽培を始めた初年度は、この春の時期(春期休業期間)に、担当教員全員が、京都・大原の工房へ研修に赴いた。本物にふれることから始まった学習である。


4月 新学級で栽培活動スタート

 栽培担当の決定をする。「藍」そのものは、いわゆる「野草」に類する植物なので、栽培そのものはそれほど複雑な取り組みではない。ただし、限られた範囲で育てるので、水やりなどは、ローテーションを組んでの取り組みと、いくつか場所を分けて、天候その他の影響で全滅してしまうことがないように工夫をすることが必要である。
 プランターでの栽培では、適度に間引きをしないと成長が遅れ、農園への移植が遅れることなども学んだ。また、プランター栽培を行うことにより、間引きした藍についても無駄にすることなく利用できることも取り組みの工夫の1つである。


6月 植え替え作業

 農園への植え替え作業を行う。畑のうねきりなど前段階の作業を経ての植え替え作業となる。


7月 染めの体験学習

 図工の授業で、ハンカチの染め物を作る。1人2枚。1枚は、9月の修学旅行の際に、東京小のペアフレンドや、お世話になる方々への贈り物として使用する。
 6年生は、5月に東京小の修学旅行団を本校で迎え、直接顔をあわせ友情を深めている。「あのときの東京小の友達にもっていく贈り物だ」と話をすると、俄然、熱がこもり丁寧に作業を進めてくれる。染めの模様は、まさに、偶然の作用がなせる技で、世界にたった1枚しかない作品ができあがる。大切な宝物を扱うかの如く、その1枚を作り上げる姿に、教員としても感動を覚える。また、「従藍而青」の言葉の通り、見事な「青」が、真っ白な生地を染め上げる様子は、圧巻である。


9月 修学旅行の贈り物作り

 修学旅行で活用。各所、大変に喜んでいただく。「後継」の意義についても、改めて学ぶ機会となる。


11月 藍の種の採取

 来年度への引き継ぎとして、大切に保管する。


以上

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