
第3巻第3号 (通巻第11号)
2003年11月3日 発行

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さて「ワタ」を題材に選んだのは次の二つの理由からである。
一つは、綿花の存在はよく知られているが、子どもたちも「実物を見たり、触ったり」したことがあまりなかったことである。この綿花という言葉にしても、あのフワフワした「ワタ毛」はワタの花ではなく、ワタの実であることは子どもたちに限らずあまり知られていない。私自身も今回初めて知った。このように言葉の使い方一つをとっても、ワタは身近なようで、実は正しく知られていない。2年生の子どもたちに綿花を見せて、「これはどうやってできるのかな?」と尋ねてみると何人かが「機械でできる。」と答え、綿花を合成繊維のように考えていることがわかった。綿花という身近な素材を詳しく知らせたいというのが一つ目の理由である。
二つには環境教育として捉えてみた。私たちは日常的に多くの綿製品を使っている。例えばジーパン、スポーツシャツなどである。ワタの学習を通して、毎日身につけているこうした製品は「ワタ」が姿を変えたものだと知ることができる。そして栽培活動の苦労を知った子どもたちに「製品を大切に使おう。」とする心や、着古したものを「リサイクル」しようとする工夫が育っていくことを願った。
そして4年前から各種の研修会に参加させてもらう機会の中で、栽培活動を通して「心の育ち」や「学ぶ意欲」を伸長させようとする試みが意外と少ないことに気づいた。関西創価小学校では各学年で栽培活動に積極的に取り組んでおり、その成果を公表して、またその内容に工夫を加えたいと考えた。
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なお、この報告は、2002年度日本児童教育振興財団主催の「わたしの教育記録」に入選、小学館「小1教育技術2003年2月号」と「小3教育技術2003年2月号」に掲載されたものに加筆しました。
ノートルダム女子大学学長梶田叡一氏より、「『ワタを育ててワタを活かして』は生活科の活動展開の典型的な姿を、入念な構想と準備を土台にしながら、優れた形で示すものである。こども一人ひとりの自主的な活動と個性的な体験を重視した学習だからこそ、子どもにも教師にも明確な目標意識が不可欠であるという指摘は、『でたとこ勝負』になりがちな生活科や総合的な学習の取り組みに対して示唆するところが大きい。」との選評(総合教育技術2003年2月号掲載文)を頂いた。このように評価頂けたことも、本校の「地道な栽培活動」を通して生活科や総合的な学習(本校ではその趣旨を取り入れて、さらに「ライフ科」、「創価タイム」として発展充実させようと試みている)を進めるうえで大きな自信となった。
また何より創立者から「おめでとう、掲載されたらすぐに拝見します。」との伝言をいただけたことや、その後の研究活動への励ましには、心から感謝申し上げている。どんな環境教育にも、「育てたい心」の存在を欠いては知識理解の範疇でしかない。その「心」を育てるうえで、創立者の「教育提言」また学園への折々の指導を紐解いていくことが、わたしたち教員にとって大切であることは論をまたない。※ 参考図書 農文協 「ワタの絵本」 ひびあきら編
以上
