創価教育研究所

創価教育研究所の活動

第17回教職員講座

「子どもの発達を支援する学校教育 教育現場における理解と対応」(サマリー)

創価大学教育学部 准教授  高野久美子氏


みなさん、発達障害とはどんなイメージでしょうか。歴史上の人物では、「織田信長はアスペルガー、モーツァルトはADHD、エジソンは学習障害」だったかもしれない、というようなエピソードがあります。

 

知的に遅れのない発達障害(かつて軽度発達障害といわれていたもの)としては、主に次の三つがあります。社会性の障害、コミュニケーションの障害、想像力の障害を特徴とする高機能自閉症(高機能広汎性発達障害・アスペルガー症候群を含む)、多動性、衝動性、不注意を特徴とする注意欠陥多動性障害(ADHD)、知的発達のアンバランスを特徴とする学習障害(LD)の三つです。いずれも、脳の機能不全が原因といわれています。

 

3つの障害に共通することは、知的に遅れがないだけに、その行動を「わがままだ!」とか「親のしつけがなってない!」というふうに誤解されがちで、「見えない障害」と言われています。「あいつちょっとヘンだよね」と浮いた存在になりやすくて、いじめの対象にもなりやすいと言われています。そして、自己評価が低くなりがちです。さらに、態度が反抗的に見えるので、どうしてもそこで周囲からの叱責を受け、さらに自己評価を低めるというような悪循環が生じます。その結果、二次障害として、不登校や非行、自傷他害などが起こる可能性があります。

 適切なサポートのためには、アセスメントの重要性があげられます。まず、本人のアセスメントです。実際に行動はどうなのかと、具体的に日常の観察が大事になってきます。また、家庭・学校・地域など本人を取り巻く環境について具体的に見立てる必要があります。その上で、本人にはどんな関わりが可能か、必要か、周囲に援助資源として活用できるものはどうなのかという観点での判断が必要であるわけです。

 支援には、「教育的支援」、「心理面への支援」「医療の支援」などがあります。発達障害の特性そのものを完全に修正することはなかなかできません。しかし、成長し改善していくことは十分にできます。それは、本当に教育の力になってきますので、教育面の支援と心理面への支援が、両方ないとうまくいきません。

そして、もう1つ大事なのは、今学校に無理やり来させることがいいことなのかどうなのかということを含めて、この子に何をすることが将来の社会的自立へ向けての支援になるのかという、ちょっと長いスパンで考えていただくということが大事だと思います。

保護者の支援は、保護者の方も非常に苦労されていますので、保護者を支えることが、間接的に子どもへの支援になります。保護者自身もとても助かります。学校は、教育相談所とも連携を取りながら、有機的な支援を模索していきたいものです。

 

 

 

 

 

 

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